第55章 斉皇の老いぼれよ、この許炎が来たぞ

郭雲開は呆然とし、慌てて四方を見回し、書斎の窓を開けて外を確認した。誰も盗み聞きしていないことを確認してから、やっと安堵の息をついた。

「父上、どうして……」

父は皇太子の争いに敗れたため、一家が災難に遭うことになり、あまりの衝撃で精神に異常をきたしてしまったのではないか!

郭榮山は深く息を吸い込み、ようやく少し落ち着きを取り戻した。

しかし、まだ信じがたかった。

三皇子様が三拝九叩頭して自分を師と仰ぎ、さらに斉皇は「一日の師は終身の父」と言い切った。皇子がこのような形で師を仰ぐなどあり得ないことだ。

さらに驚くべきことに、斉皇と義兄弟の契りを結んだのだ!

そしてもっと衝撃的なことに、斉皇は云妃殿下を自分に与えようとしていた。皇帝陛下が妃を大臣に与えるなどあり得ないことだ!

斉皇には自分の頭上に緑を塗る趣味などないはずだ!

父の話を聞きながら、郭雲開は完全に呆然とし、疑わしげな目で父を見つめた。

「狂っているのは斉皇ではなく、父上かもしれない!」

郭雲開は悲しみながら心の中で思った。

三皇子様は頭がくらくらしながら王府に戻り、側近の參謀が近寄ってきた。

「殿下、陛下の緊急召集は何事でしょうか?」

三皇子様は四方を見回し、深く息を吸い、參謀の耳元で小声で言った:「父上に脳の病があるのではないかと疑っている!」

參謀:???

三皇子様の様子がおかしい!

斉皇は御書院に戻り、続けて命令を下した:「詔を下す。郭榮山を齊王に封じ、內閣大閣老、太子上師とする……」

太傅では郭榮山の地位に相応しくないため、斉皇は直接太子上師という位を設けた!

「上」の一字が、その地位の尊さを表している。

「詔を下す。郭雲開を神威公に封じ、神威軍を統率させる……」

「明王を太子に立てる!」

明王とは、三皇子様のことである!

斉皇は一連の詔を下し、同時に斉皇がいかに賢者を礼遇し、明王に郭榮山を師と仰がせ、さらに身分を下げて郭榮山と義兄弟の契りを結んだかを広く伝えさせた。

郭榮山と郭家の忠誠心、国と君主への献身、心血を注いだ功績を広く伝播させた。

郭榮山を忠君愛国、品徳高尚な聖賢德の士として描き出した!

京城は大騒ぎとなった!

朝廷の文武百官は皆驚愕した!

皇上は狂ったのではないか?