第45章 我が天母教は許様を天公大聖として奉ずる

「悪代官め、よくも我が家を捜査しようとしたな。死にたいのか？」

許炎は今や怒りに満ちた顔で東河郡守様を睨みつけ、赤い龍が彼の周りを取り巻いていた。その強大な威圧感で、東河郡守様は尻もちをついてしまった。

「父上が苦労して商売をし、お金を稼ぐのは簡単なことではないのだぞ？」

「皇帝陛下の二人の息子が皇位を争うだけで、我が許家まで巻き込まれるとは？何という横暴だ！」

「この許炎の外祖父が皇帝陛下の三男を気に入ったのは、皇帝陛下の幸運というものだ。」

許炎のこの言葉に、許君河夫妻の顔色が一変した。

これは大逆不道の言葉ではないか！

一族皆殺しになってしまう！

許家の屋敷の外に潜んでいた寇若智は、これを聞いて大いに喜び、許炎の威風堂々とした様子を見て、大胆な考えが心に浮かんだ。

一方、東河郡守様は驚愕の表情で許炎を指差し、「お、お前は大逆不道だ、これは謀反同然、その罪は重い！」

「行け！大逆不道で謀反を企てる許家の親子を捕らえよ。これは功を立てる絶好の機会だ、早く行け！」

東河郡守様は叫んだ。

許炎は神威のような強大な力を見せつけたが、重賞の前では、状況を見誤り、功を立てられると思い込む者が必ずいるものだ。

「みんなで一斉に攻めろ、奴は一人だ、恐れることはない！」

官兵の隊長は武器を手に怒鳴った。

反乱を鎮圧し、謀反の首謀者を捕らえることは天にも届く大功であり、栄華富貴、高位高官が目の前にあるのだ。

東河郡守様は遠くにいる陳組頭たちを見て言った。「謀反人の逮捕に協力する者は全て朝廷に報告し、褒賞を与える。高位高官が目の前にあるぞ、諸君、この機会を逃すな！」

彼らは皆、絶頂の高手だ！

陳組頭たちは顔を見合わせ、心が動いたものの、躊躇していた。

「弓兵！」

許家の邸宅の外で、列をなす官兵たちが弓に矢を番え、冷たい矢じりを許炎三人に向けた。

許夫人は顔色を失い、震える声で言った。「炎児、早く逃げなさい。私たち夫婦のことは構わないで！」

「母上、ご安心を。今日こそ我が家の正義を取り戻してみせます！」

許炎は冷たい光を宿した瞳で怒鳴った。「父上が一生懸命商売をし、分を守って生きてきたというのに、皇帝陛下の家庭の問題で巻き込まれるとは、何という道理だ！」

彼は今や怒り心頭に発していた。