げっぷ!
血無心の体内から音が響き、まるで満腹になったかのように、げっぷをした。
蒼白い顔に、血色が浮かび上がった。
蜘蛛の糸のような血筋が、一体一体の死体から体内に戻り、陰気が彼の周りに漂い、先ほど血色が浮かんでいた顔が、再び青ざめて血の気が失せた。
「辺境の者たちの精血は雑すぎる。純化して精製する必要があるが、これだけの者の精血を吸収したことで、怪我も五、六割は回復できただろう」
血無心は独り言を呟いた。
無尽の山脈の外を見上げると、目に興奮の色が浮かんだ。
辺境の地こそ、自分の台頭の地となるはずだ。
「どこかで精血を純化して怪我を治そう。力を取り戻してこそ、大血祭を行い、精血を純化して修行に使えるのだ。
はは、私、血無心の復讐を待っていろ!」
血無心は上機嫌で空へ舞い上がり、瞬く間に天際へと消えていった。
山の斜面には、百体以上の干からびた死体だけが残され、干からびた顔には、恐怖の表情が残っていた。
高人を探す熱狂が斉国を席巻し、無尽の山脈に高人を訪ねて来たのは、兵部尚書の公子一行だけではなかった。
無尽の山脈は危険が重なり、訪問者たちは皆群れをなし、護衛を連れるか、高手を雇って、共に無尽の山脈に入っていった。
この日、高人を探す一行が、山の斜面の下にやってきた。
「上がって休もうじゃないか。高人がどこに隠れ住んでいるのかも分からないしな」
「許炎のやつ、なぜあんなに運がいいんだ?高人を見つけられるなんて」
「気を落とすな、高人は簡単に見つかるものじゃない。許炎だって何年も探し回って、騙されたこともあるんだぞ」
一群の若い貴族たちは護衛に守られながら、山の斜面を登り始めた。
「あっ!」
突然、悲鳴が響いた。
「何だ、この私を驚かすとは!」
「何があったんだ、お前は江湖の一流の高手じゃないのか、そんなに臆病なのか?あっ...」
悲鳴が次々と響き渡った。
全員が山の斜面の光景を目にし、全身が凍りつき、背筋が凍る思いをした。
山の斜面には百体以上の死体が横たわり、薄い陰気が漂っていた。それぞれの死体は干からび、まるで血液を吸い取られたかのようだった。
干からびた顔には、死の直前の恐怖の表情が残されていた。
「これは...これは...」
誰かが死体の身元を認識した。
「兵部尚書の長男だ!」