第69章 血無心、無尽の山脈の異変(購読希望)

李玄は街を一巡りして、雲山縣に多くの金持ちの子息たちが訪れていることに気づいた。彼らは皆、大山で高人を探すために、一時的に縣城で休んでいたのだ。

そして、あの白髪の男のような詐欺師が、一人だけではなかったのだ!

さらに驚くべきことに、騙される馬鹿者までいるのだ!

「天母教の連中が、詐欺まで副業にしているとはな?」

李玄は呆れ果てた。白髪の男も、他の詐欺師たちも、なんと全員が天母教の高手の成りすましだったのだ。

「石兄、もう帰るのか?」

「ああ、譚兄、これにて別れだ」

「……石兄、武道の秘伝書を手に入れたのか?」

「どうしてそれを?」

「私も一冊手に入れたんだが、どうも怪しい代物でな……」

金持ちの子息たちは呆然とした。武道の秘伝書が路傍の石ころのように安っぽくなったというのか?

偽物に違いない!

取り出して比べてみると、なんと江湖で流通している武術の秘伝書にも及ばないものだった。

一行は騒々しく縣衙へ向かい、雲山知事に詐欺師の逮捕を要求した。

李玄は見なくても分かっていた。これらの金持ちの子息たちは、縣衙に行けば、また雲山知事に一杯食わされることになるだろう。

許炎が神威を示して以来、斉国では武道の高人を探す熱が高まっていた。それは権力者や貴人の子息だけでなく、江湖の高手たちも武道の高人を探し求めていた。

誰もが奇遇を得ることを期待していたのだ。

李玄は無尽の山脈を思い浮かべた。無尽の山脈を越えれば、この世界の真の姿が分かるのだろうか?

もちろん、これは推測に過ぎず、本当にそうなのかは分からない。

「もう少し待とう。許炎が先天に入り、孟衝が武道入門を果たせば、武道の法も適度に広めることができるだろう」

李玄は心中で考えを巡らせた。

武道修練法を広める前に、その度合いを慎重に見極める必要がある。全ての状況を掌握し、いかなる制御不能なリスクも許してはならない。

許炎は既に親しい者たちに武道を伝えており、数ヶ月もすれば、武道の資質がなく、入門できない者がいるかどうかが分かるだろう。

無尽の山脈の中で、百人を超える一団が密林を抜けて、さらなる探索を続けていた。

「この世に高人がいるとすれば、必ずや無尽の山脈であろう」

兵部尚書の息子が確信に満ちた様子で言った。

「その通りだ!」

禮部尚書の息子も同意の頷きを見せた。