第76章 師は道を伝えるのみ、法は伝えず

袋の中には小冊子一冊と霊晶二つだけで、他には何もなかった。

李玄は失望の色を浮かべた。

血無心は貧乏人だな。

心の中で呪った:「お前は魔修の者なのに、人を殺して宝を奪うのは当たり前だろう?辺境まで逃げてきたのに、宝物を集めて辺境で使おうとしないのか?

「本当にクソ野郎だな、お前を灰にしても全然惜しくない!」

袋を見てみると、ごく普通の袋で、収納袋のような代物ではなかった。

手で投げ捨てた。

「內域に収納袋のような宝物があるかどうかも分からないな。」

心の中で溜息をつき、錬器の天賦を持つ弟子を見つけて、錬器の法を編み出して与え、それを悟らせて、収納袋のようなものを作らせるべきだろうか?

「俺も錬器は分からないし、編むのは難しいかな?やはり內域に行って、內域の錬器法門を探して、参考にしてから完璧に編めるだろう。

「そんな錬器の妖魔の巣窟は內域にしかないだろうな?」

李玄は心の中で考えていた。

しかし錬器は結局自身を強くすることではないので、今は急がない。後で、そんな妖魔の巣窟が見つかるかどうかを待とう。

霊晶を収めた。

血色の小冊子を見た。

開くと、四文字が目に飛び込んできた。

「血魔鬼経!」

一目で魔道の功法だと分かった。

しかし李玄は気にしなかった。彼はこれらの功法を修行するつもりはなく、ただ參考にして內域武道を理解するだけだった。

「これは残巻なのか?」

李玄は驚いた。

血魔鬼経は完全ではなく、一部が失われており、残巻に過ぎなかった。

残巻であっても、血無心を宗師境まで修行させ、さらに大宗師境まで修行できるとは。

つまり、完全な血魔鬼経は、大宗師以上まで修行できるということか?

李玄は血魔鬼経を読み進めた。確かに魔道の功法で、精血を吸収し、精血を錬化して、自身を強化することを根本としていた。

より純粋でより旺盛な精血ほど、得られる強化も大きい。

これが血無心が孟衝を狙った理由だった。

その中には血魔鬼経の専門の秘術、吸血鬼絲も記されており、精血を吸収するために使用する。

「なかなかの道理があるな。」

李玄は興味深く読んだ。血魔鬼経は彼にいくつかの啓発を与えた。

例えば、精血を吸収する功法や、吸血鬼絲など。