第40章 彼の言葉を信じるの?

「大丈夫だよ」

林逸は軽く笑って言った。「麻酔薬は好きじゃないんだ。副作用があるから」

執刀医は一瞬戸惑ったが、すぐに頷いた。林逸がそこまで主張するなら、そうするしかない。

この手術は生命の危険はないので、無理強いする必要もなかった。

「若いの、我慢するんだぞ!」

執刀医はそう言うと、看護師に手術の準備を指示した。

林逸は痛みを恐れないというわけではないが、この程度の痛みなら耐えられる範囲だった。

昔、西星山の山頂から落ちた時の方が遥かに痛かった。あの時は五臟六腑が全部ずれるような痛みだった……

「君はどうやって怪我したんだ?」

執刀医の孫為民は経験豊富な外科医で、医術が優れているだけでなく、人を見る目も確かだった。

林逸は銃創を負っているが、警察が連れてきた容疑者のようには見えなかった。そのため、孫為民は彼と積極的に会話を交わし、注意を逸らして痛みを和らげようとした。