第50章 バスケットボールが引き起こした惨劇(上)

「うわぁ——」

鄒若明は苦痛の叫び声を上げた。彼の手首は脱臼し、バスケットボールは彼の両手を通り抜けて、直接彼の顔面に叩きつけられた!

「バン!」

再び大きな音が響き、鄒若明は今度は叫ぶ暇もなく、鼻血を噴きながら地面に倒れ込んだ。鮮血が空中で虹を描き、冷酷な美しさを醸し出していた。

鄒若明は気を失って倒れ、一緒にバスケをしていた手下たちも呆然としていた。これがまだバスケットボールなのか?

まるで砲弹のようだった!

その元凶である林逸は、何事もなかったかのように手の埃を払い、教学棟へと歩き続けた。

林逸は心の中で軽蔑した。俺に喧嘩を売るとはな?

今回は軽く済んだぞ。次があれば、お前は自分で生活もできない植物人間になるぞ。

「こいつが明さんを殴った。逃がすわけにはいかない!」