第51章 バスケットボールが引き起こした惨劇(下)

「なに?林逸?来たの?どこ?」

鍾品亮も驚いて、慌てて頭を上げ、張乃炮が指さす方向を見た!

確かに、林逸が制服を着て、カバンを肩にかけ、のんびりと校門から入ってくるのが見えた。

「くそ、あいつ随分悠長だな!」

張乃炮は林逸ののんびりした様子を見て、心中穏やかではなかった。昨日あいつにほとんど脳震盪になるまで殴られ、今でも頭にこぶがあり、顔にはバンドエイドを何枚も貼っている。思い出すだけでも腹が立つ。

「品亮さん、行きましょうか?」

高小福は思わず言った。

「行く?何しに行くんだ?お前が彼に勝てるとでも?」

鍾品亮は不機嫌そうに高小福を見た。お前が何か強いと思ってるのか?昨日も一発で倒されただろう?

高小福はすぐに気付いた。昨日は三人とも林逸にボロボロにされたのだ。今行っても自分から不愉快な思いをするだけだ。首を縮めて、林逸を見て腹を立てるしかなかった。