第58章 まさか彼だったとは

「お前の行為がどうだったのかは、調査してみないとわからない。今私が見ているのは、お前があの黒豹さんを重傷を負わせ、彼が病院に運ばれたのに、お前は無事だということだ!」

宋凌珊は冷たく鼻を鳴らし、続けて言った。「だからお前の行為が正当防衛なのか、それとも故意の傷害なのか、調査してみないとわからないわ。」

「好きにしろよ!」

林逸は宋凌珊が自分を快く思っていないことを理解していた。彼女は警察官という立場を利用して自分を説教しようとしているのだ。

二人とも心の中では、黒豹兄がどんな人物かは宋凌珊のところで把握されていることを知っていた。だから今回のことは昨日の出来事が原因だろう。

宋凌珊は自分がこんな私情を挟んだことをするとは思ってもみなかった。

しかし、よく考えてみれば、これは私情を挟んだことにはならない。少なくとも林逸が黒豹兄に重傷を負わせたのは事実だ。だから自分が彼を批判し、教育することは間違っていない。