第62章 場所を見つけて密談を

落ち着きを取り戻した楊懷軍を見て、宋凌珊は不思議そうに目を瞬かせ、ついに我慢できずに尋ねた。「楊隊長、林逸のことを知っているんですか？」

「彼は私の友人によく似ているんだ。興奮して勘違いしてしまった」楊懷軍は笑って言った。「驚かせてしまったかな？」

林逸が本当の身分を明かすことを望まなかったので、楊懷軍もこれ以上は話せなかった。

「いいえ...」

宋凌珊は首を振った。楊隊長をあそこまで動揺させた友人とは一体どんな人物なのか気になったが、それ以上は聞かなかった。

林逸が警察署を出て、タクシーを拾おうとした時、福おじさんのベントレーが彼の横にゆっくりと停車し、福おじさんが窓から顔を出した。「林さん、乗ってください！」

林逸は頷いて、遠慮なく助手席のドアを開けて乗り込んだ。

すると驚いたことに、後部座席には一人の男性が座っていた。楚鵬展だった！

「楚おじさん、こんにちは」

林逸は礼儀正しく挨拶をした。

「逸くん、大丈夫だったかい？」

楚鵬展は林逸を見て、優しい笑顔を浮かべた。

ずっと林逸は、楚鵬展が自分に対して少し親切すぎるのではないかと感じていた。

そこには何か隠された事情があるのか...しかし楚鵬展が話さない以上、林逸も聞くことはできなかった。「大丈夫です。学校に来た暴力団のメンバーを懲らしめただけで、警察も状況を理解して釈放してくれました」

「無事で何よりだ」

楚鵬展は頷いた。「瑤瑤のことは、今回は本当に助かった！李福から昨日の件を聞いたところだ。よくやってくれた！」

「当然のことです」

林逸はそれほど大したことだとは思っていなかった。金をもらって仕事をするのは当然のことだった。

「そうそう、瑤瑤とはうまくやれているかい？まだ追い出そうとしたりしていないか？」

楚鵬展は自分の娘のことを考えると、少し頭が痛くなった。

「いいえ、瑤瑤さんはとても付き合いやすい方です」

林逸は微笑んだ。もちろん楚鵬展の前で楚夢瑤の悪口を言うようなバカなことはしない。

楚夢瑤がどんなに反抗的でも、楚鵬展は彼女を愛しているだけだ。自分が余計なことを言って首になったら困る。だから林逸は適切に楚夢瑤を褒めた。

福おじさんは林逸の言葉を聞いて、何か言いかけたが、結局何も言わなかった...

「ふふ、仲良くやれているのか？」