林逸は最初トイレに入って、この男を直接楚鵬展のオフィスまで連れて行こうと思った。
しかし、考え直してみると、このグループの最上階で働いている者は、副社長クラスの株主か、社長、常務副社長クラスの人間で、小物は一人もいない。
彼を楚鵬展のところに連れて行っても認めるかどうかは別として、林逸が恐れていたのは、この男が一人ではなく、グループで動いているということだった!
彼の電話の相手から見ると、まだ多くの共犯者がいるようで、彼を直接引っ張り出しても、その共犯者たちを全員捕まえることは難しいだろう。
しかも副社長以上のレベルになると、楚鵬展が数言で対処できる問題ではない。
一つのグループが一定の規模まで発展すると、必然的に多くの派閥が形成される。楚鵬展は筆頭株主ではあるが、他の株主の部下に直接手を出すことはできない。さらには、電話をかけていた人物が他の株主である可能性も否定できない。