様子を見ると、少女のストッキングは傷口と一体化してしまっているようだ!
そのまま脱がせようとすれば、傷口に触れて、さらなる出血を引き起こす可能性が高い。
林逸は眉をひそめた。この部屋には緊急の外科手術道具が何もない。
先ほど少女のレザーパンツを脱がせた時、硬いものに触れた。感触から判断して短刀のようだ。他に道具がない状況では、この短刀を使うしかない。
床に落ちているレザーパンツを拾い上げ、林逸は中から短刀を取り出した。空中で二、三回振り回して手触りを確かめてから、少女のストッキングを切り始めた。
刃物の扱いなら、林逸は達人だ。六歳の時から師匠について近接戦闘用の暗器として短刀を練習してきた。
これは戦闘時に最もよく使用する武器の一つでもある。
林逸は刃先でストッキングの繊維の接合部分だけを引っ掛け、他の部分を傷つけないように注意しながら切っていった。数回で少女のストッキングは断片となり、林逸はそれを適当に剥がして脇に投げ捨てた。