様子を見ると、少女のストッキングは傷口と一体化してしまっているようだ!
そのまま脱がせようとすれば、傷口に触れて、さらなる出血を引き起こす可能性が高い。
林逸は眉をひそめた。この部屋には緊急の外科手術道具が何もない。
先ほど少女のレザーパンツを脱がせた時、硬いものに触れた。感触から判断して短刀のようだ。他に道具がない状況では、この短刀を使うしかない。
床に落ちているレザーパンツを拾い上げ、林逸は中から短刀を取り出した。空中で二、三回振り回して手触りを確かめてから、少女のストッキングを切り始めた。
刃物の扱いなら、林逸は達人だ。六歳の時から師匠について近接戦闘用の暗器として短刀を練習してきた。
これは戦闘時に最もよく使用する武器の一つでもある。
林逸は刃先でストッキングの繊維の接合部分だけを引っ掛け、他の部分を傷つけないように注意しながら切っていった。数回で少女のストッキングは断片となり、林逸はそれを適当に剥がして脇に投げ捨てた。
ストッキングの下で、林逸はついに傷口の位置を確認できた!
右太もも付け根の部分だ!
すでに簡易的な包帯が施されているが、明らかに止血効果は薄く、出血が止まっていない。そうでなければ、少女も康の神醫金瘡藥を買いに薬局へ行くことはなかっただろう。
包帯の下には下着一枚だけが残されていたが、この時の林逸には余計な考えは全く浮かばなかった。
林逸は変態ではない。全身血まみれの女性に対して、たとえ天級の美人であっても、そういった方面の興味は湧かない。
少女の足の包帯を短刀で開き、林逸は傷の状態を確認し始めた。
確かに傷は深刻だが、林逸はほっと胸をなでおろした。大腿動脈は損傷していない。もしそうでなければ、専門的な手術設備がない状況では病院に搬送するしかなく、病院まで持ちこたえられるかどうかも別問題だった。
傷口は三角形で、明らかに三角ナイフのような鋭利な武器で刺されたものだ。三角形の傷口は、縫合処置をしなければ、通常の止血薬では出血を止めるのが難しい。
現状から見て、おそらく少女は負傷後、自分で包帯を巻いたものの、傷が治癒せず出血が止まらないことに気付き、仕方なく薬局へ康の神醫金瘡藥を買いに行ったのだろう。しかし買えないまま、
帰り道で、ついに失血過多で気を失ってしまったようだ。