鍾品亮の行動について、林逸は心配していなかった。
学校内では、鍾品亮は厄介な存在かもしれないが、決して度を越した行動はしないだろう。
楚夢瑤の側には陳雨舒という奇妙な少女がいるだけでなく、楚夢瑤自身の家柄も、鍾品亮が好き勝手できるようなものではない。
もし彼が楚夢瑤に対して強引な真似をすれば、たとえ彼の叔父が鵬展グループの株主であっても、楚鵬展は決して許さないだろう。
だから林逸は楚夢瑤と陳雨舒について行くつもりはなかった。実際、林逸が付いて行きたいと思っても、楚夢瑤の性格からして絶対に許さないだろう。
それなら、自分のことをやった方がいい!
「大將、この後、学校の門前の屋台街で焼き肉でも食べない?」
康曉波は昨夜、放課後に林逸を誘ったが暇がなく、体育の時間を利用して林逸と一杯やりたいと思っていた。
高校生活三年、十八年の人生で、この数日が最も男らしく感じられた。
「いいね」
林逸は昼食を食べていなかったので、快く承諾した。
ホテルから持ち帰った物を机の中に置き、外側に本を何冊か置いて人が触れても落ちないようにしてから、安心して出かけることができた。
二人が教室を出る頃には、ほとんどの生徒が既に出ていて、教室には勉強漬けの数人以外は誰もいなかった。
このような勉強漬けの生徒たちが外出して遊ぶことは期待できない。彼らは起きている時間のほとんどを本と共に過ごしているのだ。
階段を降りる時、高校三年九組の前を通りかかると、康曉波は無意識に足を遅くした。
林逸が彼の行動を不思議に思って尋ねようとした時、康曉波は興奮して林逸を引っ張り、前を指さして小声で興奮気味に言った:「唐韻だ!唐韻!」
林逸は一瞬驚き、思わず前を見ると、高校三年九組の教室から一人の女子生徒が出てきたところだった。
女子生徒は教室を出て階段口の方向に向かっていた。林逸ははっきりと見ることができなかった。
康曉波が叫んだ時にはもう遅く、林逸は横顔を一瞬見ただけで、後ろ姿はポニーテールだけが見えた。
女子生徒は制服を着ていて、背が高かったが、制服がやや大きめだったため具体的な体型は分からなかった。しかし、キャンパスクイーンと呼ばれるだけあって、きっと悪くはないだろう。