第0130章 康暁波の家柄

いわゆる良い噂は広がらず、悪い噂は千里を走る。

隣の高校三年九組まで、林逸の凄まじい噂が広がっていた!

唐韻は昼寝をしようとしたが、眠れなかった。頭の中には林逸のあの憎たらしい笑顔が繰り返し浮かんでいた。

少し痛む太陽穴と泣いて赤くなった目尻をさすりながら、顔を上げて本を読もうとしたが、近くで誰かが何かを話し合っているのが聞こえた。林逸の名前も出てきたようだ。

唐韻は思わず胸が締め付けられた。なぜこの名前が気になるのか分からなかったが、おそらく林逸が自分を追いかけていることを他人に話されるのが怖かったのだろう。

「知ってる?さっきトイレに行った時、隣の高校三年五組の新入生が、鍾品亮の椅子を蹴り倒したんだ。鍾品亮は仰向けに転んじゃったよ!」

その男子生徒は得意げに友達に見聞きしたことを話していた。「なんでだか分かる?」