第131章 悩める宋凌珊

宋凌珊は楊懷軍にそう指摘されて、確かにそういえば思い出した。あの容疑者は数ヶ月も行方不明になってから逮捕されたのだった。

「楊隊長、つまり……」

宋凌珊は少し不確かな様子だった。

「この事件は、少し待ってもいい。容疑者が警戒を緩めた時が、チャンスだ」

楊懷軍は言った。「そうでなければ、焦っても仕方がない」

「えっと、楊隊長、でも私は陳局長のところで軍令状を立てちゃったんです……」

宋凌珊は途端に困った表情になった。事件がこんなに複雑だと分かっていれば、軍令状なんて立てなかったのに。自分で自分を苦しめているようなものだ。

「そうか……」

楊懷軍はそれを聞いて言葉を失った。宋凌珊は本当に大胆だ。こんなことは自分でもできない!

この事件は複雑で、背後の利害関係は、表面上見えているものだけではない!