第0145章 頼りになる親友

「昨日、私の母に何を言ったの？」

唐韻は憎々しげに林逸を睨みつけた。

「昨日...あなたのお母さんに？」

林逸は少し驚き、突然バーベキューのレシピのことを思い出した。

今日の午前中は關學民と漢方医学の話で忙しく、すっかりこのことを忘れていたのだ！

唐韻に言われて、昨日の約束を思い出し、思わず顔が赤くなった！

なるほど、唐韻が何度も自分を探していたのは、バーベキューのレシピのことだったのか。林逸は慌てて申し訳なさそうに言った：「レシピのことですよね？」

唐韻は怒って林逸を睨みつけた：「わかっているくせに！」

「申し訳ない、今朝は用事が多くて、本当に忘れてしまったんだ。」

林逸は恥ずかしそうに笑って：「こうしよう、次の授業の時に、また来てレシピを渡すよ。」

「ああ。」

唐韻は彼の言葉を聞いて、それ以上何も言えず、頷いただけだった。そして林逸には目もくれず、窓を閉め、カーテンを下ろした。

林逸は唐韻がそれらをすべて終えるのを待ってから、急に振り返った。「もっと近づく必要がある？補聴器でも持ってくる？」

「えっと...」

陳雨舒は林逸の突然の振り返りに大きく驚いた。補聴器の話を聞いて、自分が盗み聞きをしていたことを指していることは明らかだった。

しかし陳雨舒はどんな人物か、ちょっと恥ずかしがっただけで、すぐにニコニコしながら言った：「なに、人に聞かれたくないことでもあるの？私はたまたま通りかかっただけよ！」

先ほど林逸は唐韻の教室の窓に横向きに寄りかかっていて、楚夢瑤は林逸の後ろで壁にぴったりとくっついていたので、唐韻の方向からは陳雨舒の存在は見えなかった。

そうでなければ、唐韻は気付いていただろうし、林逸とあんなに長く話すこともなかっただろう。

「ふふ。」

陳雨舒に対して、林逸も困り果てて、笑いながら言った：「知りたいことがあるなら、聞いてよ？」

「えっと...まず言っておくけど、私は瑤瑤お姉さんに派遣されたわけじゃないわよ。」

陳雨舒は目をキョロキョロさせながら、林逸を見て説明した。

「へぇ...」

林逸はあまり気にしていなかった。陳雨舒の言うことは、十のうち八つは嘘だ。彼女が楚夢瑤に派遣されたと言っても、自分の好奇心で来たのかもしれない。

「唐韻は、あなたに何を求めていたの？」

陳雨舒は尋ねた。