第0196章 興奮する康暁波

第0196章 興奮する康曉波

林逸はこの時、すでにこっそりと脇に身を隠し、康曉波がこのヒーローによる美女救出の主役を演じるのに任せていた。

藍芬は高所から落下した時の恐怖のせいか、あるいは康曉波に強く抱きしめられたせいか、この時すでに気を失っていた。宋惠萍が手を藍芬の鼻に当て、まだ息があることを確認してようやく安堵した。

「ふぅ……」劉欣雯は芬ちゃんが無事で、ただ気絶しただけだと分かると、康曉波に親指を立てた。「すごいね、ヒーロー!こんな高さから、よく受け止められたね、すごい!」

劉欣雯の言葉を聞いて、宋慧萍もようやく目の前の若者が娘の命の恩人だと気づき、娘のやせた頬を撫でながら、康曉波に何度も感謝の言葉を述べた。「若いの、本当にありがとう。あなたが素早く行動してくれなかったら、うちの芬ちゃんはどうなっていたか……」

ここまで言うと、宋慧萍は恐ろしさのあまり涙を流した!そうだ、さっきの状況を考えるだけで恐ろしい。娘が空から落ちてきて、もし康曉波が受け止めていなかったら、この落下は……結果は想像したくもない!

「おばさん、これは当然のことです、大したことじゃないんです……」康曉波は少し顔を赤らめた。彼が藍芬を救ったのは、完全に藍芬への恋心からだった。別の人だったら、これほど興奮して緊張することはなかっただろう……

康曉波も聖人ではない。彼は消防士でもなく、警察官でもなく、ましてやウルトラマンでもない。もし飛び降りた人が藍芬でなかったら、彼は無謀に飛び出していくことはなかっただろう!

救えるかどうかはさておき、人を救えなかったうえに、自分が怪我をしたり死んだりしたら、それこそ割に合わない!こういうことは前例がある。上の階から飛び降りる人を見て、受け止めようとした人が、結局受け止められず、逆に上から落ちてきた人に潰されて死んでしまったケースもある!

「これが大したことじゃない?兄弟、本当にすごいよ、私、劉欣雯はあなたを尊敬するわ!」劉欣雯は康曉波の表情に気づかず、興奮して康曉波の肩を叩いた。「今後何かあったら、姉さんを頼って、義理を欠かないからね!」

「僕はただたまたま間に合っただけで……」康曉波は正直に言った。どうやって藍芬を受け止めたのか、彼自身もよくわからなかった。