第0196章 興奮する康曉波
林逸はこの時、すでにこっそりと脇に身を隠し、康曉波がこのヒーローによる美女救出の主役を演じるのに任せていた。
藍芬は高所から落下した時の恐怖のせいか、あるいは康曉波に強く抱きしめられたせいか、この時すでに気を失っていた。宋惠萍が手を藍芬の鼻に当て、まだ息があることを確認してようやく安堵した。
「ふぅ……」劉欣雯は芬ちゃんが無事で、ただ気絶しただけだと分かると、康曉波に親指を立てた。「すごいね、ヒーロー!こんな高さから、よく受け止められたね、すごい!」
劉欣雯の言葉を聞いて、宋慧萍もようやく目の前の若者が娘の命の恩人だと気づき、娘のやせた頬を撫でながら、康曉波に何度も感謝の言葉を述べた。「若いの、本当にありがとう。あなたが素早く行動してくれなかったら、うちの芬ちゃんはどうなっていたか……」