第0197章 悲しい過去
唐韻は唇を噛み締め、口を開こうとしたが、人の背後で話すのはあまり良くないと思い、芬ちゃんの同意を得ずに彼女のことを話すのは、本当に筋が通らないと感じた。
「唐韻、康曉波の気持ちが分からないの?彼に話してあげなよ」林逸は車を運転しながらも、唐韻と康曉波の様子に注意を払っていた。唐韻が躊躇しているのを見て、彼女が何を気にしているのか自然と理解した。
「でも...」唐韻はためらった。康曉波の気持ちは、もちろん分かっていた。もし康曉波が芬ちゃんの側にいることができれば、芬ちゃんは元気になるかもしれない。しかし、芬ちゃんの身の上は少し悲惨で、自分がそれを話したら、康曉波は受け入れられるだろうか?
「もうためらわないで、これ以上ためらったら、康曉波が焦り死んじゃうよ」林逸は笑いながら言った。