「鄒若明はお前と俺の間に確執があることを知って、それで俺に近づいてきたんだ。お前をどう対処するか相談してきたんだよ!」鍾品亮は何度も頷きながら言った。「あのさ、林逸さま、これから言うことで怒らないでくれよ?俺に腹を立てたりしないよな?」
ここまで言って、鍾品亮はわざと怯えた様子を見せた。
「用件があるなら早く言え。無駄話はいいから。お前に関係ないことなら、お前に難癖をつけたりしないさ」林逸は眉をしかめた。
「わかった。俺はその時、何気なく一言言ったんだ。唐韻が林逸のような奴と付き合うなんて、お前にはもう機会がないよ。最初から強引に手を出しておけばよかったのにって」鍾品亮はここまで言って、林逸の表情に変化がないのを見て続けた。「思いもよらなかったのは、この一言が鄒若明のヤツを刺激しちゃったんだ。あいつは今からでも強引に手を出すのは遅くないって言い出したんだ。唐韻を手に入れれば、彼女が自分についてくるのは間違いないって。俺はその時、鄒若明の勢力を恐れて、ただ同意するしかなかった。でも帰ってから考えれば考えるほど変だと思ったんだ。これって犯罪の隠蔽じゃないか!知っていながら報告しなかったら、林逸さまが真相を知ったら、絶対に俺を許さないだろうから、だから俺は...」