第0230章 お前はインチキをした

今回はこの小僧を使う必要がなくなったので、林逸は当然情けをかけず、直接気絶させた。

林逸は車から降りず、車の中に座ったまま、静かに周囲の様子を観察していた。

「林逸、降りろ」ワゴン車から一人が降りてきて、林逸の車の前に立った。まさに林逸が予想していた黒豹さんだった。

「黃級後期の極致か?」林逸は眉をしかめた。他人の真の実力レベルを見抜くことができるのも、林逸のゴールデンフィンガーの一つだったが、黒豹さんが突然、ほとんど実力のない人間から黃級後期の極致へと急激に力を増したことに、林逸は非常に困惑していた。

林逸はもう少し様子を見たかったが、唐韻がまだ廃墟ビルの上にいることを考えると、車から降りざるを得なかった。黒豹さんを早急に片付けなければ、唐韻が危険にさらされるかもしれない。

「林逸、驚いただろう?俺が警察の手から逃げ出せるとはな?」黒豹さんは林逸を見つめ、まるで屠殺を待つ子羊を見るかのように、目には血に飢えた色が満ちていた。

「ああ、驚いた」林逸はうなずいた。「しかし、お前が想像もしていないことがある」

「どういう意味だ?」黒豹さんは一瞬驚いた。

「実は、俺は黃級初期の達人だ!」林逸がこう言うと、全身から気迫が一気に湧き出し、自分の実力を黃級初期に抑えた。

「ん?」黒豹さんは少し驚いたが、すぐに笑い出した。嘲笑の意味に満ちていた……黃級後期の極致の達人になる前は、彼は林逸の実力がどれほどのものか知らなかった。ただ林逸が普通の人間よりちょっと強いだけだと思っていた。しかし今、意外にも知ることになった、林逸もまた黃級の達人だったとは!

しかし、黃級初期は、今の黒豹さんの目にはもはや何の価値もなかった。彼は黃級後期巔峰の実力を持っており、黃級初期の実力は彼の目には、まるで大人が新生児を見るように弱く映った。

「何を笑っている?」林逸は淡々と尋ねた。「江湖の実力等級の区分を聞いたことがないのか?天地玄黃、黃級は最下位だが、それでも都市を横行するには十分だ。黃級初期は、特殊部隊員の実力に相当する」

「ハハハ、もちろん知っている」黒豹さんは林逸の言葉を聞いて、笑いそうになった。お前のその程度の実力で、俺の前で自慢するとは、自分が強いと思っているのか?