第0284章 便乗しただけだ

だから、唯一の可能性は、金古邦と謝廣波が密かに何らかの協定を結んでいるということだ。それがどんな協定なのか、楚鵬展には分からないが、不吉な考えが心に湧き上がってきた……

謝廣波がこの話を終えた後、得意げに金古邦を見たが、金古邦の顔色が非常に悪いことに気づいた！そう、とても黒い顔色だった！金古邦はこの時、怒り爆発寸前だった！

先ほど、楚鵬展が彼の配下のエンターテイメント事業を謝廣波に任せると言った時、金古邦はとても喜んでいた。しかし今、謝廣波がそれを拒否したことで、金古邦は謝廣波をバカだと罵りたくなった！

なぜ断るんだ？そのまま引き受ければいいじゃないか？どうせお前の手にあれば、俺が心配することもない。今や俺たちは同じ船に乗った仲間だ。お前が裏切るとは思えないし、裏切ったら、お前の息子を助けないぞ？

しかし、こうして断ることで、楚鵬展は俺たち二人の関係をすぐに知ってしまうじゃないか？本来、金古邦は二人の関係を早く露呈させるつもりはなく、決定的な瞬間に楚鵬展に不意打ちの致命的な一撃を与えるつもりだった！

今、関係が早めに露呈してしまったことで、いわゆる不意打ちも不可能になった。楚鵬展は必ず警戒するだろうし、もしこの関係を利用するなら、早めに行動するしかない！

金古邦は罵りたい気持ちでいっぱいだった。せっかく手に入れた切り札なのに、こんなに早く使うことになるとは！彼はまだ楚鵬展と対立したくなかった。なぜなら、たとえ彼が取締役会長になったとしても、楚鵬展がまだいて、楚鵬展が鵬展グループの大部分の株式を持っている限り、彼は勝手にグループの不動産会社を切り離すことはできないからだ！

金古邦は恨めしそうに謝廣波を睨みつけたが、事ここに至っては、もう何の手立てもなかった。彼がどれだけ否定しようとも、謝廣波と彼に関係があることは誰の目にも明らかで、説明しても無駄だった。

「能力のある者は多くの仕事を担うものだ！それならば、謝社長の意向通りにしよう」楚鵬展は冷たく鼻を鳴らした。「エンターテイメント事業はやはり金副社長に任せよう。金副社長には早急に訓練と整頓を行い、このような事故が再び起きないようにしてほしい！」