第90章 枷鎖を破り、造化を得る

雷啓海は大いなる威力を発揮し、雷霆法術を次々と放ち、その強大な力がパチパチと音を立てていた。

「あぁ!!!」

悲鳴が響き渡った。

ドン!

白蒙は吹き飛ばされ、口から血を吐き、右手は焦げ付いたように黒くなり、雷啓海の雷霆によって炭化されかけていた。

「なぜこんなに強いのか?」

白蒙は恐怖の表情を浮かべた。

明らかに。

白蒙はただの結丹初期で、しかも三品仮丹に過ぎなかったが、雷啓海は結丹後期で、五品真丹の持ち主だった。両者の差は歴然としており、白蒙は全く相手にならなかった。

「殺せ!」

「奴らを止めろ!」

二人の築基期の弟子も戦いに加わり、多くの拝月教徒を阻止した。混沌とした戦いが勃発し、轟音が絶え間なく響いた。

「くそっ!」

石兆元は強引に体を支え、右手を振って千帆血魔幡を再び手にした。彼は自身の法力を動員し、雷啓海を抹殺しようとした。

「石兆元」

元鳳は厳しく呼びかけ、石兆元を見つめた。その眼差しは固く鋭く、まるで利剣が石兆元の心臓を貫くかのようで、石兆元の呼吸は一瞬止まり、手の動きも遅くなった。「お前はもう負けたのだ」

その言葉が落ちると。

元鳳は右手を振り、黒い弓矢を取り出し、石兆元の目の前で、案山子に向かって弓を引いた。

シュッ!

黒い矢が空を切って突き進んだ。

「止めろ!!!」

石兆元は叫んだ。

しかし。

もう遅かった。

ズブッ!

矢が空気を切り裂いた。

皆の目の前で。

黒い矢は「石兆元」の真名が書かれた案山子を真っ直ぐに貫き、案山子を完全に貫通し、傷口から血が噴き出した。

その案山子はまるで生きているかのようだった。

実に怪異なものだった。

「あぁ!!!」

ドクッ!

同時に。

石兆元は凄まじい悲鳴を上げ、彼の心臓の位置にも目に見えない矢が突き刺さり、粘つく血が噴き出した。

致命的な傷を負った。

そして。

その瞬間。

石兆元の三魂七魄が崩壊し始めた。

もはや仙神でも救えない。

「教主!」

「教主!!!」

拝月教徒たちは恐怖に叫んだ。

「戦いは終わったな」

齊明は画面の光景を眺めながら、百花霊酒を一口すすった。口角が微かに上がっていることから、齊明の気分は悪くないようだった。霊酒の味が口の中に広がり、その味わいはますます深みを増していった。「元鳳が勝ったな」