第100章 傀儡選別

天啓宗は古来より、「真伝大会」が始まって以来、「棄権」という状況は一度も発生したことがなく、真傳弟子は必ず参加しなければならなかった。

これは規則だ!

しかし今。

この「規則」が今回の「真伝大会」によって変更され、十二峰の真傳弟子が棄権を選択できるようになった。これは、その場にいた全員が予想もしなかったことだった。

だが。

これから推測できることは。

今回の「真伝大会」は非常に危険なものになるということだ。

「まさか『棄権』なんて、本来ありえないはずのルールまで出てくるとは。」

唐彬順は深く息を吸い込み、厳しい眼差しで言った。「師匠の言う通りだ。今回の『真伝大会』は、前回をはるかに超える危険があるだろう。」

「ええ。」

金琳は重々しく頷いた。

周囲では。

前回の「真伝大会」を経験した多くの真傳弟子たちが非常に緊張した表情を見せ、十二分の注意を払っていた。彼らは確かに驚いていた。

「十秒間の時間を与えよう。」

青龍は続けて言った。

「師弟よ。」

範仲は齊明に向かって言った。「棄権するのか?」

「それは...」

齊明は肩をすくめた。「やめておこう。この青龍真人は棄権できると言ったが、棄権した後にどんな罰があるかは言っていない。」

「それに。」

「周りにこれだけの人がいる中で、みんなの目の前で棄権するのは少し恥ずかしいだろう。」

「はは...」

範仲は笑って言った。「師弟の言う通りだ。」

正直なところ。

齊明が棄権して落雲峰に戻ったら、元鳳と蕭凡という二人の師姪に、「真伝大会」に参加せずに怖気づいて棄権したことを知られたら。

本当に恥ずかしいことになる。

師叔の面目が立たないではないか?

十二峰の浮空殿では。

「こんな状況は初めて見たな。」

「棄権というルールまで出てきたということは、今回の『真伝大会』は見どころがありそうだ。」

「前回は百人以上の真傳弟子が命を落とした。今回は同じ轍を踏むわけにはいかないな。」

「その通りだ。」

「あれは皆、優秀な若者たちだった。このように死なせるわけにはいかない。」

「...」

人々は議論を交わしていた。

十秒が経過した。

棄権した真傳弟子は一人もいなかった。

「よろしい。」