第105章 情報漏洩

「天啓宗の同道か?」

この求道門の真傳弟子は齊明の到来を察知し、顔を上げて齊明を見つめ、軽く手を合わせて一礼し、「下りてきて話でもしませんか?」と言った。

「求道門の真伝か?」

齊明は招きに応じ、雲乗りの術を解き、空から降りて、目の前の求道門真伝の前に立った。「早い到着だな」

「僥倖に過ぎません」

この求道門の真傳弟子は微笑んで説明した。「私は『道鈞晨』と申します。求道門の真傳弟子ですが、道友のお名前を伺ってもよろしいでしょうか?」

「道鈞晨」

齊明は小声で呟き、相手をもう一度観察した。清秀な容貌に立体的な顔立ち、刀で削ったような顔つきで、かなりの美男子と呼べる存在だった。齊明も微笑んで「僥倖に過ぎないか」と言った。

なぜなら。

齊明も「僥倖に過ぎません」という言葉を、答えたくない質問への返答として使うことが好きだった。この「道鈞晨」という名の求道門真傳弟子も、同じような癖があるようだった。

癖というべきではない。

それは問題に対処する方法と習慣なのだ。

「そうです」

道鈞晨は頷いた。「確かに僥倖でした。ちょうど宗門の『空間通路』を通過したところで、『上古洞天』の入り口付近に到着したのです」

「そういえば道友、まだ自己紹介がありませんでしたね」

「私は齊明」

齊明は言った。「天啓宗の真傳弟子です」

「齊明道友」

道鈞晨は再び手を合わせて一礼した。

「ああ」

齊明も礼を返した。「道鈞晨道友」

「私たちの出会いは縁があってのことです。一緒にこの『上古洞天』を探索してみませんか?」

道鈞晨は突然提案した。「この上古洞天は、宗門の長老たちでさえ中の状況を把握していません。それなのに一夜にして昌河全体の力を吸い尽くしたのです」

「ご存知の通り」

「昌河には多くの妖物が棲んでいて、その中には元嬰境界を突破した強大な妖物もいましたが、それでも抵抗できずに吸い込まれてしまいました」

「このことから」

「この『上古洞天』は善地ではありません。たとえ上古洞天内の危険が少なくても、吸い込まれた『昌河の大妖』たちだけでも対処は容易ではないでしょう」

「もし私たちが一緒に行動すれば、きっと互いに助け合えるはずです」

始めから終わりまで。