第87章 軍神・段擎蒼！

「どうしたんですか、蕭さん。蘭寧市の夏家をご存知なのですか？」

范南星はずっと萧塵の素性を調べる勇気がなく、萧塵が蘭寧市の出身であることも、彼と夏家との関係も知らなかった。

萧塵は考え込みながら言った。「私の知る限り、夏家には五小家族に入る資格はないはずだが？」

夏家は蘭寧市でもそれほど有力な家柄ではなく、何家や曹家にも及ばないのに、どうして江南省の五小家族に入れるというのか？

「そこには利害関係が絡んでいるのです！」范南星は言った。「夏家の背後には江家の支援があるのです！」

「三大財閥の一つである江家？」

萧塵は以前、夏詩韻の誕生日パーティーで聞いた話を思い出した。そして最後に江少秋という男が現れたことも。

「そうです。江家は三大財閥の筆頭で、夏家を支援するなど造作もないことです！」

萧塵が考えていた通り、五小家族の出現には単純ではない目的があり、江家のような最上級の勢力は、必ず何らかの行動を起こすはずだった。

例えば、夏家を支援して地位を上げることだ。

夏家は基盤が弱いため、五小家族の地位を確保するためには、江家に依存して生きていくしかない。

そうすれば、将来夏家が得る資源の少なくとも半分は江家のものとなる。

「よし、二日後に現場を見に行こう。手配を頼む！」と萧塵は言った。

「お任せください！」

……

二日間で、萧塵は霍家と范南星から送られてきた薬材を使って一批の丹薬を調合した。

二日後、萧塵は范南星からの連絡を受け、江南一の高層ビルと呼ばれる「雲天ビル」に定刻通りに到着した。

「萧さん！」

范南星はすでに外で待っていた。

「うん、上がろう。できるだけ目立たないようにな！」と萧塵は注意を促した。

「承知しました！」范南星は明らかにすでに万全の準備をしていた。

二人は専用エレベーターに乗り、ビルの最上階へと向かった。

この階は非常に豪華な会議室だった。

ここで開かれる会議は、必ず極めて重要な影響力を持つものばかりだ。

会議室は上下二層になっており、第一層は千五百人を収容できる。

第二層は特殊な構造で、一般人用ではない。

范南星は直接萧塵を第二層に案内した。この位置からは下の様子が一望でき、下からはここの様子が見えにくくなっている。

「いいね！」

萧塵はこの位置に満足した。

……