苗青霜は思いもよらなかった。たった一晩で、萧塵が本当に三尾霊狐を見つけられるとは。
いや!
見つけたとは言えない!
彼女と萧塵はここで一晩過ごしたが、全く動かなかった。彼女は途中で眠ってしまったほどだ。
三尾霊狐が自ら現れたのだ!
「一体どうやってやったの?」
苗青霜は萧塵の身に纏う神秘さに、ますます捉えどころのなさを感じていた。
「霊狐は人見知りだから、少し離れていてくれ!」入定中の萧塵が突然目を開いて言った。
「はい!」
苗青霜は躊躇わず、素早く離れた。
「ん?」
すぐに、彼女は周囲に異変を感じ取った。
「一晩の間に、谷の花や草が少なくとも半分は成長している!」
この発見に、苗青霜は大きな衝撃を受けた。
強大な武者は、山を裂き、海を翻すほどの破壊力を持っている。
しかし、谷の植物を大規模に成長させることは、どんな武者にもできないはずだ。