「お嬢様!」
玲ちゃんは気が付かない間に、お嬢様が下へ走り去ってしまったことに驚いた。
しかしすぐに元気を取り戻し、「お嬢様、頑張って!きっとあいつを倒せます!」と声援を送った。
「蝶お嬢様の剣は、その人と同じように美しいわ!」曹雁雪は地面に置かれた翡翠の細剣に見とれていた。
翡翠の細剣は、剣身も柄も同じ緑色で、剣の刃は極めて薄く、少し力を入れて振るだけで折れてしまいそうだった。
萧塵は笑って言った。「確かに変わった剣だが、彼女は面紗を付けているじゃないか。素顔を見たこともないのに、どうして美しいと分かる?もしかしたら醜女かもしれないぞ?」
「そんなはずないわ!」
曹雁雪は碟千舞の素顔を見たことはなかったが、絶世の美女であることを確信していた。
理由はない。ただ直感的にそう感じるだけだった。