「フジの剣、羅青!」
この名前が出た瞬間、その場にいた多くの人々が驚きの表情を浮かべた。
翡翠の仙女蝶千舞と比べると、フジの剣羅青の方がより広く知られていたからだ。
これは実力とは関係なく、蝶千舞は控えめな性格で、風雲ランキングに名を連ねているものの、人々が彼女について語るのは主にその美貌についてだった。
しかし羅青は違った。彼についての話題は風雲ランキングの上位10人に劣らないほどだった。
「風雲ランキング11位のフジの剣羅青か、これは厄介なことになった!」
梁安瀾は懸念していた事態が現実となったことを悟った。
フジの剣羅青、この名は今の梁家にとって、まさに悪夢のような存在だった。
「羅青がなぜここに?一年以上も姿を消していたはずでは?」
「おそらく于任通のように、何らかの組織に加入したのだろう!」