第125章 まだ1人があなたを倒せる!

「フジの剣、羅青!」

この名前が出た瞬間、その場にいた多くの人々が驚きの表情を浮かべた。

翡翠の仙女蝶千舞と比べると、フジの剣羅青の方がより広く知られていたからだ。

これは実力とは関係なく、蝶千舞は控えめな性格で、風雲ランキングに名を連ねているものの、人々が彼女について語るのは主にその美貌についてだった。

しかし羅青は違った。彼についての話題は風雲ランキングの上位10人に劣らないほどだった。

「風雲ランキング11位のフジの剣羅青か、これは厄介なことになった!」

梁安瀾は懸念していた事態が現実となったことを悟った。

フジの剣羅青、この名は今の梁家にとって、まさに悪夢のような存在だった。

「羅青がなぜここに?一年以上も姿を消していたはずでは?」

「おそらく于任通のように、何らかの組織に加入したのだろう!」

「蝶千舞は確かに強いが、羅青の相手にはならないだろう。梁家は今日本当に滅びるのか?」

梁家を支持するために残った客たちは、互いに囁き合い、その表情には警戒心が満ちていた。

それまで立ち去らなかったのは、一つには面子があり、二つには梁家が必ずしも負けるとは限らないと考えていたからだ。

しかし誰が予想しただろうか、于任通の側に羅青という切り札があったとは?

梁家陣営には羅青を止められる者は誰もおらず、敗北は避けられないだろう。

「なぜ彼が...」

玲ちゃんもこの時、表情を変え、深い憂慮の色を浮かべた。

自分の主が強いとはいえ、羅青に勝てる確信はなかった。

「フジの剣羅青って、どんな人物なんだ?」萧塵は好奇心を持って尋ねた。

「あなたはなんて物知らずなの?私の主人のことも知らないし、羅青のことも知らないなんて?」

玲ちゃんは呆れたように萧塵を見て、この人物がどうして梁家の上客として扱われているのか、見識がまったくないと思った。

「彼は強いのか?」

「もちろん強いわ。私の主人は風雲ランキングで16位だけど、羅青は11位よ。どう思う?」

「風雲ランキングって何だ?」

玲ちゃん:「……」

「師匠、風雲ランキングは私も聞いたことがあります。華夏の若い世代の天才たちのランキングだそうです」と曹雁雪が言った。

「ああ!」萧塵は納得したように頷き、さらに言った。「それほど大したことじゃないな、11位なんて!」