第126章 零界渦流!

一瞬にして、その場にいた全員の視線が二階に集中し、萧塵に注がれた。

蝶千舞までもが敬意を示す人物なら、きっと並外れた存在に違いない。誰かが知っているか、見たことがあるはずだと皆が考えていた。

しかし、人々は萧塵を何度も見つめ直したが、互いに顔を見合わせるばかりで、茫然としていた。

こいつは誰だ?

羅青に勝てるなんて、冗談だろう?

「蝶の仙女、この男と戦えというのか?」

羅青は萧塵を一瞥し、怒りの色を浮かべた。蝶千舞が自分を侮辱しているのだと思ったのだ。

蝶千舞は真剣な表情で言った。「羅青、信じられないかもしれないけど、蕭様の実力は私以上よ。もし彼に勝てるなら、私も素直に頭を下げるわ!」

「ほう?」

羅青は珍しそうな表情を浮かべた。

「彼が羅青に勝てるの?」

玲ちゃんは驚いて萧塵を見つめた。

彼女はいつも自分の主人の言葉を深く信じていたが、今回ばかりは信じることができず、受け入れることもできなかった。

「師匠は絶対に羅青より強いわ!」

曹雁雪は固く信じて言った。

羅青どころか、相手が風雲ランキング一位でも、萧塵が勝てると信じていた。

萧塵は淡々と蝶千舞を見つめ、尋ねた。「まだ全力を出していないのに、なぜ続けないんだ?」

実は彼は留まることを決めた時点で、出手する覚悟はあった。先ほどは状況を見極めていただけだった。

しかし蝶千舞には明らかにまだ戦える力があるのに、強引に彼を押し出してきた。そこには明らかに策略が感じられた。

これで彼は蝶千舞への好感を完全に失った!

彼が曹雁雪に賢い人が嫌いだと言ったのは冗談だが、実際には彼に対して策を弄する人間が嫌いなだけだった。

蝶千舞はその言葉を聞いて心中驚いた。萧塵は何かに気付いたのだろうか?

しかしすぐに、彼女はその考えを否定した。

自分の体内のあの力は誰にも見破れないはず。萧塵はおそらく試しているだけだろう。

そこで彼女は冷静さを保ちながら言った。「蕭様、彼ら七人の中で私が警戒しているのは羅青だけです。もしあなたが羅青に勝てれば、残りは私と霸せんぱい、梁先輩で対処できます。今日の梁家の危機は解決できるでしょう!」