萧塵は元沖がこんなに臆病だとは思わなかった。
しかし霊石を手に入れたので、彼はそれ以上のことは気にしなくなった。今後機会があれば功法を元沖に渡すつもりだ。
萧塵は自分の席に戻ると、趙傑がまさに叱責しようとしたところ、突然声が聞こえてきた。
「趙傑、無礼を働くな!」
皆が見ると、一人の国字顔で深沈な男性が大股で大広間に入ってきた。護劍山莊の下僕たちは彼を見ると、敬意を表して礼をした。
その場にいた人々も同時に立ち上がり、敬意を込めて叫んだ。「荘主!」
来た人は他でもない、護劍山莊の現任荘主、易德淼だった。
「師匠!」趙傑も声を上げた。
易德淼は手を振り、趙傑に目配せした。
趙傑は少し驚いたが、すぐに何かを悟ったようで、立ち去った。
「萧様、お名前はかねがね承っております!」易德淼は他の人々の敬意を無視し、萧塵に拳を合わせた。