第208章 悪くない、だが足りない!

「くそっ、あいつが本当に実直な人間だと思ってたのに、まさか猫をかぶった虎だったとは!」

徐代歡は心の中で文句を言いたくなった。

しかし考え直してみれば、萧塵は最初から最後まで何も言っていなかった。自分が勝手に思い込んでいただけだ。

「萧塵!」

凌筱竹は呟いた。心の中で突然、不安な気持ちが湧き上がってきた。

彼がこんなに強いなんて。武道界全体が彼に注目し、沈逸仙さえも彼の手に敗れたのだ。

自分と彼は、まるで違う世界の人間なのではないか?

「いけない、何とかして萧塵を守らなければ!」

凌天豪もこの時、心に思いを巡らせていた。

以前萧塵を見下していたのは問題ない、今ならまだ挽回するチャンスがある。

もし萧塵が彼と一緒に天下を取れば、凌家の台頭は止められないだろう。

その瞬間、その場にいた人々はそれぞれ思いを巡らせていた。