地煞傭兵団の陣営では、混戦がまだ続いていた。
全身から冷たい殺気を放つ黒衣の少女が、赤い妖刀を手に、数百人の傭兵に一人で立ち向かっていたが、少しも恐れる様子はなく、殺戮の道を進んでいた。
彼女は地獄から来た妖女のようで、刀を振るう度に必ず血が飛び散り、必ず命を刈り取った。
何度かの衝突の末、地煞傭兵団は死傷者が数え切れないほど出て、地面には至る所に手足の切断された死体が横たわり、徐々に冷たくなっていく。鮮血が流れ集まり、一筋の小川を形成し、惨烈を極めていた。
「第二団長、も...もう持ちません、我々の死傷者が多すぎます!」腕を失った一人の傭兵が恐怖に震えながら第二団長に叫んだ。
「退け退け、早く退け!」第二団長は狂ったように叫び、圧力に耐えられなくなり崩壊し始めたようだった。
一瞬のうちに、地煞傭兵団の残りの数百人は全て後退し始めた。
一方、妖刀を持つ少女は黙ったまま、次々と死体を踏み越えて、さらに近づいてきた。
彼女が一歩進むと、地煞傭兵団の者たちは一歩退く。
その光景は、思わず不気味に感じられた。
「第二団長、第三団長と第四団長はすでに妖女の手にかかって死に、兄弟たちも半分以上が倒れました。これは地煞傭兵団が設立されて以来、最も重大な打撃です。」
「我々は一体どんな敵を招いてしまったのか、なぜこうなったのだ?」
「総隊長はどこだ、彼はまだ現れないのか?」
「そうだ、早くシウス団長を探せ、シウス団長さえいれば、必ずこの妖女を始末できる!」
もし今この瞬間、地煞傭兵団の者たちの心にまだ一筋の希望があるとすれば、それは彼らの総隊長シウスだった。
シウス団長が敗れていない限り、地煞傭兵団は敗北したことにはならない。
そう思うと、皆はもはや躊躇わず、さらに後退を続け、シウス団長の陣営まで退いて支援を求めようとした。
しかし彼らが知らなかったのは、シウスの陣営はすでに先に攻略されていたことだった。
突然、二つの人影が後方から襲いかかってきた。
「天雨神劍!」
風天佑と風雨荷が共に一撃を放ち、千軍を薙ぎ払う勢いを携えていた。
プツプツプツ!
比類なき剣気の下、無数の頭が螺旋を描いて飛び上がり、第二団長も不意を突かれ、一撃で命を落とした。