第303章 最も完全な妖刀!

「天照の姫神?」萧塵は眉をひそめた。「一方は巫女、一方は罪の女、確かに対応しているが、彼女と樱雪はどういう関係なんだ?」

「姉妹よ!」観月琴心は驚くべき言葉を発した。「双子の姉妹!」

さすがの萧塵も、この言葉を聞いて表情を変えた。

萧樱雪には双子の姉がいるのか?

萧樱雪もこの言葉を聞いて、表情が変わった。

記憶がある時から、彼女はずっと一人だった。今突然、双子の姉妹が現れたと言われ、拒絶感と嫌悪感を覚えた。

「まさか、ずっと樱雪を狙っていたのが、この天照の姫神だとは言わないよね?」萧塵は呆れた様子で言った。

「残念ながら、現実が残酷なのは、往々にして受け入れたくない方向に進むからなのよ」観月琴心はため息をついた。「彼女の最大の敵は、まさに彼女の唯一の肉親、姉の天照の姫神なのよ」

「理由は?」萧塵は深刻な口調で尋ねた。

双子の姉妹なら、本来なら最も親しい間柄のはずだ。しかし思いもよらず、二人は正反対の極端な道を歩み、異なる運命に翻弄されている。

天照は、東瀛の神話の中で最も中心的な神様であり、姓ではない。

しかし天照の姫神は、天照を姓とし、姫神の名を冠している。その地位の高さがうかがえる。

一方、萧樱雪は、暗闇の中に閉じ込められ、拷問を受け、その待遇は雲泥の差だ。

この中には、必ず特別な理由があるはずだ。

「あなたなら推測できるはずよ!」観月琴心は直接答えず、ヒントを与えた。

萧塵は少し考え込んで、尋ねた。「妖刀村正のせいか?」

「そう!」観月琴心はうなずき、萧樱雪を見つめながら言った。「彼女と天照の姫神は最後の二振りの妖刀の宿主なの。彼女たち二人のうち、生き残れるのは一人だけ。敗者の血は、前例のない完全な妖刀を完成させるのよ」

「妖刀は一振りだけではないのか?」萧塵は東瀛の妖刀について聞いたことはあったが、その秘密を全て知っているわけではなかった。

「ええ、妖刀村正はある種の刀の総称で、最初は千振り以上あったの。戦国時代に伊勢家の数代にわたって鍛えられたもので、すべて村正と名付けられたわ」

「数千振りの妖刀村正?」萧塵は眉をひそめた。