赤火馬の二番頭は目を光らせながら、心の中で考えた。「この滕青山という若者は本当に強い。それに宜城の領内は民が極めて剛勇だ。もし強く迫りすぎれば、滕家莊のこの野蛮な連中は本当に手を出すかもしれない。以前、黑木莊を殺戮した時も、我が鐵山組は多くの仲間を失った。もし今日、手を出せば...恐らく今日連れてきた千人の仲間の半分以上が死ぬだろう!」
滕家莊の勇武の名は、外まで広く知れ渡っていた。
そして今日、この二番頭も発見したのだが、滕家莊には内勁の達人がいたのだ。これは警戒せざるを得なかった。内勁の達人がいる莊を本当に襲えば、この千人の馬賊団でも勝っても惨勝だろう。鐵山組と白馬組の決戦が迫る中、滕家莊で大量の人員を失うのは、本当に割に合わない。
……
滕青山の言葉が終わると同時に、地面が震動した。滕家莊の多くの者たちは内心喜びながら、あの馬賊の頭領を見つめた。鐵山組側の馬賊たちも彼らの二番頭を見つめ、今や皆が二番頭の言葉を待っていた!
「はっはっは...」二番頭は大笑いし、鋭い目つきで下方の滕青山を見据えた。「見事な腕前だ。若い兄弟、お前のような腕前を見ると、私も手合わせしたくなってきたぞ。どうだ、一戦交えないか」
「手合わせだと?」
滕氏一族の者たちは皆、滕青山を見つめた。
「青山、行くな」滕雲龍は声を潜めて言った。「この二番頭は外で長年戦ってきた者だ。きっと多くの手段を持っているし、内勁も驚くべきものだ。我が滕家莊の門を一撃で粉砕したのだから。手を出すべきではない。もし手合わせの最中に、手加減なしの一撃を出されたら、青山...お前はまだ若いのだ」
滕雲龍だけでなく、滕永凡と袁蘭夫婦も息子のことを極めて心配していた。
彼らから見れば、あの二番頭は老獪な者で、策略に長けている。彼らの息子は、ずっと宜城の領内で活動してきたが、内家道場の達人に会ったことは数えるほどしかない。
「父上、母上、祖父上、大丈夫です。二番頭は先輩の達人です。私のような若輩者と本気で争うことはないでしょう」滕青山は笑いながら、鋼鐵長槍を持って進み出て、拱手して言った。「二番頭の勇武は人並み外れと聞いております。一撃で我が滕家莊の門を粉砕されたと聞き、私も手合わせをしたく思っておりました」
「はっはっは、痛快な漢だ!」