第35章 仲人が訪れる

滕家莊は喜びに包まれ、村全体の人々はまず大門を新しく作り直し、その夜には一族の者たちが道場で宴を開いて祝いを行った。この数日間、鐵山組は多くの村から年貢を徴収しており、滕家莊の族人たちは皆心配していた……

鐵山組が来たら、どんな恐ろしい結果になるのか。

未知なることが最も恐ろしい。

しかし今日の結果は皆が喜ぶものとなり、二百両の銀で全てを解決できた。一族から一人も死者を出さずに済んだのだ。これは大いなる喜びではないか？

「はっはっは……青山」滕雲龍は酒杯を持ち、「今日は本当にずっと胸が締め付けられていたが、よかった。二百両で全てが解決した。鐵山組と白馬組の脅威がなくなれば、我が滕氏一族もこの宜城で良い暮らしができるだろう」

この世の中で、滕家莊の族人のように、腹一杯食べられて暖かい服が着られるだけでも、それは良い暮らしだった。

「今日は、全て青山のおかげだ」傍らの滕永湘も笑いながら杯を上げ、「青山、おいで、伯父さんが一杯献じよう。お前は私の命の恩人だ！」

滕青山は立ち上がって杯を上げた。

滕家莊の主だった人々が一つのテーブルに座り、酒が三巡り、料理が五品出た後、滕雲龍は口を開いた：「皆も分かるだろうが、一つの山に二匹の虎は住めぬ。鐵山組と白馬組は必ず争いを続けるだろう。我々宜城はこれからしばらく混乱するだろう」

「ああ」滕永凡は頷き、「鐵山組は今日は去ったが、皆訓練を怠ってはならない。そして、警戒も強めねばならない」

「うむ、青山よ、昼間は大延山での修行は控えめにした方がいい。修行するなら、夜明け前に行って、一刻か二刻で戻ってくるのがいい。あるいは夕暮れ時に行くのだ」滕雲龍も言い、滕青山は頷いた：「分かりました、祖父」

滕青山は知っていた。盜賊団が滕家莊に到着するには最低でも二刻はかかる。

そして、盜賊団は日が暮れる前に巣に戻らなければならない。これは古代のことで、電気がない。一度日が暮れれば、本当に真っ暗になる。満月の夜でもない限り、数百から千人の軍勢が夜中を進むのは本当に苦痛だ。

だから、滕雲龍はそう言ったのだ。結局のところ滕青山は族の第一の達人なのだから。

今日も滕青山がいなければ、おそらく滕家莊は一萬両の銀を搾り取られていただろう。

……