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第37章 虎形通神!

「兄上の目に適う人なら、義姉上はきっと素晴らしい方でしょう。さあ、兄上、あなたの結婚が近いことを祝して、乾杯しましょう」滕青山も、従兄が愛する女性を見つけられたことを心から喜んでいた。

「はは……さあ、乾杯」

二人は椀を合わせ、一気に飲み干した。

「でも青山、年が明けてから婚約の儀式を行うことになっていて、結婚式については父が相手の家と良い日取りを決めることになる。だから、まだ数ヶ月かかるだろう」と滕青虎は言った。

「その数ヶ月なんて大したことないでしょう?でも兄上、虎拳は毎日真剣に練習しないといけませんよ。これから帰元宗で出世するには、本当の実力が必要なんですから」と滕青山は忠告した。

「分かっているよ」滕青虎は笑いながら答えた。

この年祭の日、滕氏一族の男たちは皆楽しく酒を飲んでいた。一族に数十名の內勁を持つ強者がいることで、滕家莊の名声はここ数年で益々高まっていた。近隣の李家村や王家村も、もはや滕家莊と争うことはなくなっていた。

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正月の数日間、族人たちは皆で集まり、この祝祭を楽しんでいた。

滕青山の家では、母の袁蘭と青雨は外出しており、家には滕青山一人だけが残っていた。

「がちゃり!」中庭の門が閉められた。

滕青山は自嘲気味に笑いながら言った。「この数日間は年祭の準備で色々と忙しかった。今はようやく落ち着いたな。これで正式に『虎形通神術』の修行を始められる」ここ数日は、まず白馬組と鐵山組からの年貢の徴収があり、その後は正月用品の買い出しなどがあった。

滕青山は一族の第一の高手として、多くの事に関わらなければならず、正月を迎えてようやく完全に気が休まるようになった。

「姬際可祖師が創り出したこの『虎形通神術』は、我が形意拳の最高奥義。前世では、天地靈氣が極めて希薄だったにも関わらず、一ヶ月足らずの修行で身体能力が倍近く上がった。今世では、天地靈氣が豊かだから、どれほど向上するだろうか!」

滕青山は体を真っ直ぐに伸ばして地面に伏せた。

「ドン!」

両手を虎爪の形にして地面を掴んだ。一見すると地面に伏せているように見えるが、実際には両手と両足だけで全身を支えている。

「フッ!」「スー!」