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第3篇 黒甲軍統領 第8章 滄江剣訣

「青山に挑戦?」滕青虎は思わず息を呑んだ。

彼の心の中で、滕青山は何でもできる存在だった。しかし、滕青山はこれまで宜城でしか活動していなかったため、出会った達人は少なかった。今日は帰元宗の領域だ。ここには後天極限の武者が大勢いる。

伍曼や公羊慶などの一流武者も、多くの黒甲軍の軍士たちも、皆この一戦に注目していた。

……

「面白くなってきたな!」諸葛元洪はこの光景を見て、笑みを深めた。

四大統領の中で、年長の銀髪の黒衣の長老と鋼鉄のような体格の男は興味深げに見守り、比較的若い臧鋒統領は目を細め、その眼光は冷たい刃物のようだった。女性統領は静かに観戦していた。

*****

土俵の上で、この若き達人たちは両端に立っていた。

滕青山は身長七尺四寸(約一メートル八十五センチ)、內家拳法を極めた者らしく、体格も相応に逞しい。対する岳松は滕青山とほぼ同じ背丈だが、肩幅が広く、腕も長く、全体的にさらに逞しく見えた。

外見からは、二人の年齢差は全く分からなかった。

滄江の岳松!「滄江一剣」に師事し、今まさに修行を終えて帰元宗黒甲軍で鍛錬を受けている。外界では、一部の超一流の達人を除いて、滄江一剣にこのような弟子がいることを知る者は少なかった。

宜城の滕青山!わずか十六歳の怪物、同じく名声は目立たない。結局のところ、宜城一の達人というのは、自慢するほどのことではなかった。

この二人の若者、どちらが強いのか?

校場全体が静まり返り、全員が二人を見守っていた。

「滕青山、気をつけろよ!」岳松は自信に満ちた笑みを浮かべ、背中の重剣を抜いた。

「始めよう」滕青山は輪廻の槍を手に、冷静に相手を見つめた。

岳松の目が突然輝き、全身から気迫が立ち昇り、低い咆哮を上げた。「滕青山、まずは私の破浪式を受けてみろ!」彼は一歩踏み出して滕青山との距離を詰め、手にした重剣で単純な一撃を繰り出した!

ざわっ!

勢いと力の籠もった一撃!

滕青山はほんの一瞬、波濤の音を聞いたような気がした。その黒い重剣はすでに頭上に迫っていた。

「破れ!」

滕青山はその場に立ったまま、右手を震わせ、長槍は毒蛇が穴から飛び出すかのように、巧みに重剣に触れた。その接触で重剣はわずかに軌道を逸れたものの、依然として滕青山の肩を狙っていた。