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第3篇 黒甲軍統領 第9章 赤子の心?

「ふっ!」

四大統領は同時に立ち上がり、この光景に驚愕した。

「どうして可能なんだ?『滄江剣訣』の重ね波式が、こんなにも簡単に破られるとは?」銀髪の黒衣の長老が驚きの声を上げた。四大統領の中で最も体格の良い大男も顔色を変えた。「すごい防御と力抜き槍術だ!この槍術は、まさに返璞帰真の境地に近づいている。」

「あの防御の一撃は……」臧鋒も完全に呆然としていた。

「滕青山……」四統領の中で唯一の女性も驚愕の表情を浮かべた。

四大統領は、滕青山の'混元一氣'槍法に完全に圧倒され、思わず立ち上がってしまった。

「師匠、滕青山が今見せたのは、どんな槍法なのですか?」その女性が中央に座る師匠'諸葛元洪'に向かって尋ねた。

高台の五人の中で、諸葛元洪だけが落ち着いて座っていた。表情は相変わらず穏やかだったが、目が輝いていた。彼は高台上の滕青山を注意深く観察し、次第に笑みを浮かべた。「滕青山、なかなかやるな!」

*****

演武場全体が静まり返り、その後すぐに喧騒が起こった。

「今の槍法、見えたか?あの一撃をどうやって防いだんだ?」

「ふっと一瞬で、岳松の重剣が手から離れた。どうなったのかわからない。」

……

演武場の六千人以上の武士たちが議論を交わしていた。皆武士であり、岳松の『滄江剣訣』重ね波式については理解していなくても、その恐ろしい威力は見て取れた。滕青山の防御の技があまりにも速く、誰も見切れなかった。

「青山、よくやった!」滕青虎が興奮して大声で叫んだ。

「この滕青山は、お前の知り合いか?」滕青虎の側にいた黒甲軍の軍士たちや武士たちが尋ねた。

「あれは俺のいとこだ!」滕青虎は誇らしげに言った。

九州大地では人々は武士を敬っており、滕青虎の言葉を聞いて、周りの人々は彼を見る目が変わった。すぐに滕青虎と会話を始め、同時に滕青山の過去の有名な出来事について尋ね始めた。

演武台の上で!

「な、なぜこんな……私の重ね波式が……違う、違う……」岳松は自分の右手を見つめ、思わず首を振った。

「岳兄!」滕青山はこの様子を見て、眉をひそめて叫んだ。しかし岳松は聞こえていないかのようだった。