第20章 補習生

十年ぶりに戻ってきたキャンパスで、普段は冷静沈着な葉錯の心にも、ある感慨が湧き上がった：くそ、昔の教室はどこだ……

先週の全校集会での批判により、葉錯は今や学校中の有名人となっていた。歩く道すがら、多くの人が彼を見る目には、思わず尊敬や軽蔑の色が混じっていた。

尊敬するのは、全校の幹部の前で告白する勇気があったこと。軽蔑する人々は、もちろん葉錯を蛙が白鳥を食べようとするようなものだと思っていた。

先週金曜の夜、葉錯が体育会系の生徒たちを打ちのめした場面を見た人も見なかった人も、葉錯との関わりを避けようとし、皆が彼を遠ざけていた。

誰もが知っていた。蘇雅はあれほど美しいのだから、葉錯とは何の関係もあり得ないと。学校の四大公子は、最年少の秦扶蘇を除いて、みな蘇雅に好意を持っているという噂だった。

彼らは密かに競い合っていたが、誰も本気で蘇雅の平穏を乱す勇気はなかった。しかし、ほぼ全員が言っていた。蘇雅に何か企みを持つ者は、この学校での居場所を失うことになると。

四大公子はそれぞれ裕福か権力のある家庭の出身で、金持ちの二世が集まるこの雲海中學校では、誰も手を出せない存在だった。それだけでも、彼らの背後にどれほどの勢力があるか想像できる。

張天哲でさえ、四大公子の筆頭である白小樓の手下の一人に過ぎなかった。前世では葉錯は彼が蘇雅を好きだから自分を苛めると思っていたが、今考えると、そんな臆病者は蘇雅を好きになる勇気すらなく、蘇雅に近づける自分に対する嫉妬と憎しみだったのだろう。

今、葉錯がこれほどの騒動を起こしたことで、皆が彼の勇気に驚嘆しているものの、誰も彼を羨ましいとは思わなかった。全員が知っていた、葉錯はこの学校に長くはいられないだろうと。四大公子の中でも、少なくとも白小樓は必ず彼に教訓を与えるはずだ。そうしなければ、今後誰彼構わず蘇雅に近づこうとするだろうから。

皆は彼が週末に退学を選ぶと思っていたが、今、彼が堂々とキャンパスに現れたことに、誰もが少し驚いていた。

授業開始時間が近づき、キャンパスの人々が急いで散っていく中、葉錯がようやく昔の教室の方向を見つけた時、突然、一人の太った少年が慎重に彼の方へ走ってくるのに気付いた。

葉錯の目が冷たく光ったが、その人物の顔を確認すると、思わず口角に微笑みが浮かんだ。