第42章 2大の校花が集う

雲海高校三年二組の教室で、蘇雅は静かに本を読んでいた。彼女の隣の空席には、クラスのほとんどの男子生徒が座りたがっていたが、誰一人として実際に座る勇気はなかった。

なぜなら、昨日からこの席は、三年間いじめられ続けてきた葉錯のものだと知っていたからだ。

葉錯がどのようにして一夜にして皆の注目を集めるようになったのか、誰も知らなかった。ただ一つ分かっていたのは、これからは葉さんと呼ばなければならないということ。もはや彼は、以前のような人に振り回される葉錯ではなくなっていた。

教室の後ろの数人の男子生徒たちは、こっそりと囁き合っていた。「葉錯すげえよな。俺たち三年間、蘇雅と話すことさえできなかったのに、あいつは全校生徒の前で告白して、しかも蘇雅の隣の席になっちまった。マジやべえ。」

もう一人も羨望と嫉妬の表情で言った。「そうだよな、あいつ運がいいよな。」

それを聞いていた秦浩は得意げに言った。「お前らには分からないよ。俺の葉さんは実力で勝ち取ったんだ!運がいいって?全校の先生や幹部の前で告白できるのかよ?李偉のあのクソ野郎が試験問題出したら、お前ら合格点取れるのかよ?」

その数人の男子生徒たちは慌てて笑いながら答えた。「浩さんの言う通りです。葉さんは本当にすごいです。」

以前なら、秦浩がこんな風に話しかければ、すぐに平手打ちを食らっていただろう。しかし今は違う。誰もが知っていた。以前は秦浩と葉錯が一番仲が良かったこと、そして昨日の放課後、葉錯が人を使って秦浩をバスケットに誘ったこと。明らかに秦浩を庇護しようとしているのだ。これからは誰も彼をいじめることはできない。それは目に見えていた。

学校というのは、大きくもなく小さくもない場所だ。誰もが人生で必ず経験する場所であり、大人になってからは、そこで起きた出来事を軽蔑したり、当時の自分の幼稚さを笑ったりするかもしれない。

しかし否定できないのは、学校にいる時、君は江湖の中にいるということだ。なぜなら学校とは、一つの江湖なのだから。

江湖には江湖の掟がある。触れてはいけない人には、決して手を出してはいけない。

以前、三年二組で最も触れてはいけない存在は張天哲だった。今は葉錯だ。