雲霓はこの時とても複雑な気持ちだった。一方では、葉錯が惨めに負けて、恥をかいてほしいと思っていた。しかし他方では、あの嫌な投げ矢の王に勝ってほしくもなかった。
投げ矢の王が自分を見る目つきを見ていると、雲霓は吐き気を感じた。
彼女は葉錯の腕を引っ張って言った。「もうやめましょうよ。どうせ勝てないんだから」
葉錯は呆れて言った。「さっきのことは、君が始めたんじゃないか」
雲霓は話をそらした。「そうね...でも私は優しいから、絶対負けることをするのを見たくないだけよ」
葉錯は彼女の頭を軽く叩いた。「誰が必ず負けるって言った?」
雲霓は額をさすりながら言った。「死にたいの?痛いじゃない!」
葉錯は言った。「これは旦那を信じない罰だ」
雲霓は怒って言った。「信じたって無駄よ。相手は何年も練習してきたのが一目で分かるのに。自分から的を後ろに下げるなんて大口叩いて。負けても私のせいにしないでよ、自分のせいなんだから」