葉錯は少し笑って言った。「今回は君から始めてくれ。また私の投げ矢を打ち落とされるのは避けたいからね」
投げ矢の王は冷たく鼻を鳴らした。実際、この距離では飛んでいる投げ矢を打ち落とすことはできないのだが、面子を保つため、それを口にせず強がって言った。「他人の投げ矢を打ち落とすのは私の実力だ。ルール上も禁止されていない。だが今日は紳士的な態度を見せてやろう。少し譲ってあげよう。君が私から始めろと言うなら、そうしよう」
「紳士的な態度」という言葉を口にした時、投げ矢の王は思わず雲霓の方をちらりと見た。自分は本当に風格があると内心得意になり、この可愛い女の子はきっと自分に惚れているに違いないと思った。
しかし彼は知らなかった。この時、雲霓は少し心配し始めていたのだ。
五千元は彼女にとって気軽に使える小遣いに過ぎなかったが、家庭が貧しい葉錯にとっては決して小さな金額ではないことを知っていた。もし葉錯が負けたら、どうすればいいのだろう?