第51章 血殺組織

秦扶蘇は端に寄って電話をかけ、秦せんせいの表情は良くなかった。

雲野鶴は諭すように言った。「墨秋のやつは、小さい頃から海外で育ったから、考え方が国内の若者とは違うんだ。それは仕方のないことだよ。」

秦せんせいは言った。「しかし、彼女は我が秦家の嫁なんだ。五男が亡くなってから、彼女を少し苦しめてしまったが、五男は国のために命を捧げたんだ、それは誇りあることだ。彼女はいつも秦家が五男の仇を討とうとしないと思っているが、血殺は世界三大殺し屋組織の一つだ。たとえ我が秦家が華夏に深く根を下ろしていても、血殺を根絶やしにするのは簡単なことではない。」

雲野鶴は溜息をつきながら言った。「あの子は情に厚くて、毎日五少爺のことを想っている。五少爺が亡くなってから、彼女も日に日に痩せていった。バーを開いたのも気を紛らわすためだ。聞くところによると、実際にはそのバーにはあまり関心がないらしく、商売も閑散としている。気持ちを紛らわすために何か仕事を見つけただけのようだ。彼女を責めないでやってくれ。」

秦せんせいは言った。「鶴さん、私は他人の目を気にしているわけでもないし、バーという商売を見下しているわけでもない。実は墨秋があのバーを開いた理由は分かっている。彼女は以前、バーで五男と出会い、多くの達人とも知り合った。彼女は自分の力で達人たちを集め、独力で血殺と戦おうとしているんだ。しかし血殺は海外に拠点があり、組織の本部が今でもどこにあるのか誰も知らない。たとえ見つけられたとしても、中には達人が大勢いる。墨秋一人で血殺と戦おうというのは、まさに絵空事だ。」

……

二人がそう話している一方で、バーの中では葉錯と唐墨秋が対峙していた。唐墨秋の電話が突然鳴り出した。

彼女は電話に出て、セクシーな唇を開いた。「もしもし？扶蘇？」

葉錯は眉をひそめた。この女性が呼んだ名前を聞いて、秦扶蘇だろうか？彼は唐墨秋の電話の向こうの声は聞こえなかったが、眉をひそめながら周りを見回し、どうやって葉芊芊とここを離れようか考えていた。

突然、葉錯は全身を震わせた。バーの片隅に、破れた紙が掛けられているのを見つけたのだ。その上には一つの標識が描かれていた。