パトカーがサイレンを鳴らしながら警察署に入った。葉錯は道中ずっと雲霓を睨みつけていた。雲霓は得意げな様子で、まさかこんな簡単に葉錯を捕まえられるとは思っていなかった。
「名前は?」
「葉錯です」
「錯って何の錯?」
「間違いの錯です」
「なぜそんな名前なの?」
「それは...両親が私に過ちを正してほしいと願ったからです」
「こんな若くして犯罪を犯すなんて、両親に申し訳ないと思わないの?」
「お姉さん、これは本当に誤解なんです。私は英雄として美女を救ったんです」
「黙りなさい!この強姦犯!」
「...」
「性別は?」
「俺が強姦犯なら、どんな性別だと思うんだよ!男だ!」
「バン!」風千羽はペンを机に叩きつけた。「生意気な態度はやめなさい。今、あなたを強姦犯だと証言する人がいるんです」