密室の中で、また再び暗闇に包まれた。
この時、ミチコの肌は、もはや輝きを放っていなかった。
彼女が修練していた九轉明王印は、華夏仏宗の不動明王に由来するものだった。
不動明王印は仏宗の九字真言印「臨」「兵」「闘」「者」「皆」「陣」「列」「在」「前」の中で、臨の印である。
臨の印は人の精神を修練し、心身の安定を主とし、事に臨んでも動じず、不動不惑の意志を保ち、強靭な体魄を表現する。
不動明王印は天地靈力と結合し、降三世三昧耶会を成し、大地のように安忍となる。修練が完成すると、体は永遠に世間に屹立する大仏のようになり、外界の事物に動揺されず、その威力は比類なき。
他の印もそれぞれ独自の印を持ち、それぞれが無限の妙用を持つ。
九轉明王印は倭国のある武學の天才が、不動明王印を盗み学んだ後、自ら悟り出したものだ。九轉明王印を創立した達人は武學の天才であったが、それでもなお九轉明王印には欠陥があった。
そのため、ミチコは修練がある段階に達すると、必ず深い眠りに陥ってしまう。九轉明王印は天下至陰至柔の武術で、寒気を凝集し、徐々に修練者を氷の中に封じ込めていく。
修練者が目覚める時、寒気は絶えず外に放出されるため、体表に衣服を纏うことができない。寒気が散発できず、心脈を傷つけることを防ぐためだ。
これが以前、葉錯がミチコが巨大な氷塊の中に封じ込められているのを目にした理由だった。
今、ミチコの体内の寒気は完全に放出され、体は柔らかく温かさを取り戻し、先ほどの月光のような柔和な輝きも消え、密室は徐々に暗くなっていった。
ミチコは目覚めるたびに、新生児のように多くのことを学ばなければならない。今、周りが暗くなってきたのを見て、少し怖くなり、葉錯の胸に潜り込んだ。「お兄ちゃん、悪い人たちは行っちゃった?」
彼女は今、心の中で完全に葉錯を唯一の肉親として受け入れていた。
葉錯が手を伸ばすと、どこに触れたのか分からないが、手に触れた場所は滑らかで柔らかく、思わず感電したかのように手を引っ込めた。ミチコの澄んだ純真な大きな瞳を思い出し、葉錯は心に少し罪悪感を覚えた。
ミチコは小猫のように、とても素直に葉錯の胸に身を寄せていた。