葉錯は少し笑って言った。「どうやら私の鳳瞳石は売れなくなったようだね」
楊おじいさまは目を動かした。彼は老狐のような人物で、自分の考えで他人を推し量るのが好きだった。この時、この言葉を聞いて、葉錯がお金に困っていると思い込み、急いで言った。「令主様がもし必要であれば、この老いぼれは喜んで全財産を散じ、楊家の財産をすべて令主様に差し上げます。もちろん、この鳳瞳石は私には相応しくありません。このような宝物は令主様だけが持つにふさわしく、私たちのような身分の卑しい者には、このような宝物を持つ資格はございません」
「さっきはそんなこと言ってなかったよね」葉錯は彼が差し出した鳳瞳石を受け取らず、神を招くのは簡単だが送るのは難しい。俺の物を、持っていきたいときに持っていき、返したいときに返すと思っているのか?
楊おじいさまは急いで頭を下げた。「どうか令主様、この小人の過ちをお許しください。老いぼれの目は曇り、頭も混乱しておりました。言ったことはすべて戯言です」
「ほう〜でもさっきは警察を呼んで私を逮捕し、刑務所に入れると言っていたよね?それも戯言かい?」
「それも...それも戯言です」楊おじいさまは自分の頬を平手打ちした。「令主様がどうして文化財密輸などされるでしょうか?このような宝物は、きっと令主様が自らの実力で手に入れたものです。誰が令主様を犯罪者だと言うなら、私が真っ先に許しません」
楊おじいさまは正義感あふれる表情で、まるで葉錯が彼の人生で最も敬愛する人物であるかのように、誰かが葉錯に手を出せば自分が許さないという態度を示した。さっきとはまるで別人のようだった。
葉錯は笑いながら言った。「これは本当に拾ったものなんだよ」葉錯は嘘をついていなかった。これは伊賀島の禁地で手に入れたものだった。葉錯は前世で多くの宝物を見てきており、目が特に利いていたので、部屋中の物の中からこれだけを持ち帰ったのだ。
楊おじいさまは葉錯の言葉を聞いて、葉錯が自分を戒めていると思い、急いで頭を下げて腰をかがめた。「令主様は冗談を言われています。この老いぼれは年を取って頭が混乱しておりました。さっきはただの冗談でした。どうか大人の方が小人の過ちを覚えていないように...」