第203章 大決戦

燕少爺は冷たく鼻を鳴らした。「お前はまだ私と戦う資格がない!」

彼は側にいる者に目配せをし、龍さんはすぐに大声で叫んだ。「行け、このガキを始末しろ」

「小僧、死ね!」タンクトップを着た大漢が、拳を葉錯に向かって打ち込んできた。

「ミチコ、二人を守って、先に行け!」葉錯は大声で叫んだ。

「逃げようったって、そうはいかないぜ!」龍さんは言った。「お前ら、入口を守れ。今日はこいつを必ず残していけ。さもないと、俺たちの人身売買の件がバレて、皆生きていけなくなるぞ」

数人の大漢が素早く取り囲んできた。

葉錯は猛然と飛び膝を繰り出し、魚のように跳ね上がり、膝を一人の大漢の胸に突き刺した。その男は横に飛ばされ、二人の男に衝突し、地面に倒れ込み、テーブルの上のビール瓶や果物皿を倒し、部屋の中は大混乱となった。

これはムエタイの技で、ムエタイは膝と肘を巧みに使い、攻撃の距離は短くなるが、力は数倍増大する。その男は葉錯の飛び膝を胸に受け、空中で血を吐き出し、地面に落ちるとぐったりとした。

「やっちまえ!」龍さんは大声で叫んだ。

葉錯は手の中の金属バットを扇のように振り回し、バンという音と共に目の前の一人を打ち倒した。しかし、一人が倒れると、後ろから十数人が取り囲んできた。

個室の外では、数十人の手下が四方八方から集まってきて、手には刀や鉄パイプ、短斧を持ち、部屋のドアは完全に塞がれ、四方八方から人の声が聞こえた。葉錯の前には十数人の大漢が水も漏らさぬほど密集し、背後からも武器を持った数人が突入してきた。

十数人の大漢の拳は山のように、葉錯の前でほとんど一つの障壁となり、彼の背後では、押し入ってきた小者たちの武器も一斉に葉錯の背中に向かって打ち込まれた。

鉄パイプを持った小者の一人が、背後から攻撃してきた。葉錯は耳元で風を感じ、忙しい中で頭を少しだけ傾け、その一撃は頭皮をかすめて通り過ぎ、風が葉錯の髪を揺らした。

葉錯は振り向きもせず、後ろに体を傾け、手を伸ばしてその小者の胸をつかみ、腕を振るって一気に背負い投げをし、彼を背後から前方へ投げ飛ばした。その小者は空中で弧を描き、燕少爺に向かって飛んでいった。