第23章 10大高手

石破金の大きな掌が風を切って襲いかかり、蘇乘羽の頭を狙った。蘇乘羽は手を上げ、石破金の手を掴んだ。

「こ、これは...まさか?!」

石破金は驚愕した。蘇乘羽は先ほど確かに負傷していたはずなのに、どうして彼の全力の一撃を受け止められたのか?

石破金はその時になってようやく気付いた。蘇乘羽の両目が真っ赤で、恐ろしく不気味な様相を呈していた。

彼は腕に力を込めて手を引き戻そうとしたが、蘇乘羽の手は鉄の鉗子のように彼の手首を掴んでおり、どれほど力を入れても微動だにしなかった。

石破金は大声で叫んだ。「死ね!」

石破金は左手で拳を作り、蘇乘羽の胸に向かって一撃を放った。蘇乘羽は再び手を上げて石破金の拳を掴んだ。彼の內勁が爆発したが、まるで泥牛が海に入るようなものだった。

石破金が次の行動を起こす前に、蘇乘羽は両手に力を込め、バキッ!と音を立てて石破金の両手首を折った。

外勁の武人の筋骨は極めて強く、鋼鉄のようだと言われているが、內勁大師はさらに強靭である。

しかし蘇乘羽は、いとも簡単に彼の両手を折ってしまった。

石破金は悲鳴を上げ、蘇乘羽は突然足を上げ、石破金を蹴り飛ばした。石破金は地面を十数メートルも転がり、血を吐き出した。

蘇乘羽のこの一蹴りで、石破金は重傷を負い、地面に倒れたまま起き上がれなくなった。

石破金は驚愕していた。もはや一撃で倒せるはずだった蘇乘羽が、どうして突然こんなに強くなり、ほぼ瞬殺されてしまったのか。

蘇乘羽は矢のように駆け寄り、片足を石破金の胸の上に乗せた。

この時の石破金は、顔は紙のように白く、口は血まみれで、恐怖に震えていた!

「殺さないでくれ!私の師匠は趙衝だ。私を殺せば、お前も良い目には遭わないぞ。」

石破金は死にたくなかった。自分の師匠を持ち出すしかなく、蘇乘羽を威嚇しようとした。

「今日、必ずお前の命を頂く!」

これは石破金が先ほど何度も言った言葉を、そのまま返したものだった。

「い、いや!殺さないでくれ。何でも言うことを聞く。」

石破金は血を吐きながらも、必死に命乞いをした。

蘇乘羽は少しも心を動かされなかった。逆血呪がなければ、自分はすでに石破金の手にかかって死んでいただろうということをよく分かっていた。