第22章 武徳を欠く

蘇乘羽は再び丹田の霊力を運転させ、石破金の攻撃を迎え撃った。

これは蘇乘羽にとって貴重な機会でもあった。修真であれ修武であれ、机上の学びは浅く、実戦こそが真理を検証する全ての基準なのだ。

蘇乘羽も自分の戦闘経験が不足していることを知っていた。今は煉気境第二層の境界を持っているものの、自分より弱い相手なら容易に圧倒できる。

例えば孫豹のような外勁しか持たない普通の武人なら、蘇乘羽は容易に打ち負かすことができた。

しかし、自分と同等か、あるいはやや強い相手と対峙すると、彼の対応は手詰まりになってしまう。

石破金の実力は蘇乘羽とそれほど差はないが、彼の一つ一つの技は全て殺技で、動きは無駄がなく鋭く、蘇乘羽の急所を狙っていた。一撃でも当たれば、重傷は免れない。

このような攻撃は単純だが効果的で、蘇乘羽は少し傷を負っただけで、さらに対応が苦しくなった。

バン!

石破金の拳が蘇乘羽の鼻先をかすめ、壁に打ち込まれ、壁に穴を開けた。続いて、石破金は左手で蘇乘羽の腎臓を狙って突きを放った。

もし蘇乘羽に神力で先を読む能力がなければ、この一撃は避けられなかっただろう。

避けることができたとはいえ、蘇乘羽は狼狽し、地面を二回転した。

「三本勝負は終わった!」

蘇乘羽は鯉の滝登りのように地面から跳ね起き、荒い息を吐きながら言った。

石破金は眉をひそめて言った。「カウントしない!もう三本、必ずお前の命を取ってやる!」

「くそっ!てめえいい加減にしろよ?內勁大師のくせに、面目もないのか?約束した言葉を、ただの屁としか思ってないのか?」

蘇乘羽は罵倒した。この男は武道の道徳も守らない、完全な卑劣漢だ。

「言行不一致で、武道の道徳も知らない卑劣漢、犬はお前の方だ!」

蘇乘羽は拳を握りしめた。どうやら命を賭けて戦うしかないようだ。石破金の様子を見ると、自分を殺さない限り、決して諦めないだろう。

「俺を罵るとは?死にたいようだな!」

石破金は再び攻撃を仕掛けてきた。蘇乘羽は石破金と数合交戦したが、肩を一撃の手刀で打たれ、腕が千切れそうな痛みを感じた。

数合の間に、石破金は豊富な戦闘経験と蘇乘羽より優れた実力を活かし、蘇乘羽を圧倒し、防ぎきれない状況に追い込んだ。