「俺の弟子を殺したのでなければ、手を出さないのか?」と蘇乘羽は尋ねた。
「そんなことはない!金を受け取った以上、依頼は果たす。弟子を殺したかどうかに関係なく、今日お前は死ぬ」
趙衝は冷たい目で言った。
「じゃあ何で聞くんだ?上が腐れば下も腐る、お前のあの厚かましい弟子と同じだ。武の道を全く弁えていない!」
蘇乘羽は軽蔑して吐き捨てるように言った。趙衝は平然とした表情で「やはり、破金はお前に殺されたようだな。よし、お前が私の弟子を殺したのなら、私がお前を殺すのは当然の道理だ」
「では、始めようか!」
事ここに至り、蘇乘羽はこの戦いが避けられないことを悟った。ただ、こんなに早く来るとは思わなかった。
趙衝は大きく足を踏み込み、猛虎のように襲いかかってきた。気迫は凄まじく、鉄拳が迫る。華麗な技は一切なかったが、蘇乘羽は油断できなかった。
六品內勁大師の実力は既に極めて強く、一見単純な一撃だが、岩をも砕く力が込められていた。
蘇乘羽は修真者の神力を頼りに、趙衝の攻撃軌道を捉え、右足を滑らせ、体をひねった。趙衝の拳は蘇乘羽の鼻先をかすめて通り過ぎた。
趙衝が霖江十大高手ランキングに入れたのは、六品の境界に達していただけでなく、豊富な戦闘経験があったからだ。
蘇乘羽が趙衝の拳を避けると、すぐさま腕を横に払い、動きは素早く無駄がなかった。
蘇乘羽はもはや避けることができず、両腕を立てて防御するしかなかった。
膨大な內勁が襲いかかり、蘇乘羽は数歩後退し、腕が軽くしびれた。息を整える暇もなく、趙衝は低く叫び、速拳で強攻してきた。
蘇乘羽は両腕の経脈に霊力を巡らせ、趙衝と正面から激突した。戦いながら後退し、明らかに劣勢で、ほぼ趙衝に押されていた。
「まさか、蘇乘羽という犬畜生がこれほどの実力を身につけているとは。石破金さえも殺せるなんて!」
陳俊もこの時、石破金は確かに蘇乘羽に殺されたのだと信じた。
結局のところ、趙衝と戦えること自体が蘇乘羽の実力を証明していた。さもなければ、趙衝の能力では一撃で殺せたはずだ。
「一体どうやってこんな実力を身につけたんだ。あの日の宴会で、なぜ我慢して私たちの侮辱を受けていたんだ?」
姜明傑は武道の経験はなかったが、趙衝と蘇乘羽の戦いを見て、やはり驚愕した。